みんなちがって、みんないい

みんなが好きなものを好きになった方がいいのではと、
思い始めていました。

多くの人に認められるものを選んでいった方が、効率がよく合理的。
そして、好きな人が多いものを生み出すことは、
ビジネスチャンスにもつながる。

でもですね、さっきふと、そういうの好きじゃなかったと思い出す。

廃れいくものが気になってしまうという性分。

「廃れいく」と書いてしまうと語弊がありそうだけど、
学生時代は演劇に打ち込んでいました。
あまり大衆的ではないですよね。

周りが、綺麗な格好をしてテニスなんてしてるころに、
ジャージ着て、大きな声出して、夜中まで練習して。
でもね、とても楽しかった。

演劇の将来性を語るつもりはないのだけど、
これだけネットが発展した世の中で、
その場に行かなければ体験できないものというのは、
時代の流れと反対方向に行っている。
(もちろん、録画したものを見ることは可能だけど、
 それでは、演劇の本当の良さは伝わらないと思う。)

でも、だからこそ、そこでしか味わえないからこそ価値がある。

そう考えて、劇場に足を運ぶ人ももちろん多いのだけど、
効率は悪いし、世間の認知度も低い。

それならね、誰にでもわかりやすいように、
綺麗な格好をしたり、わかりやすく仲間の多い趣味に没頭した方が、
人生いろいろ得なのではと思ってしまうのです。

大学を卒業して私が最初に目指したのは「普通」になることだった。
それまで、本当に服装などに無頓着だったので、
もらったお給料で服を買ったり、遊びに行ったり。

それはそれで、一定の功は奏したと思う。
世間のOLさんのように、エステに通ったり、ブランド物を買ったり、
温泉旅行や海外旅行に行ったり、それはそれで楽しかった。
そういった経験を積んだからこそ、今があるのだから。

でも、将来を考えた場合はどうだろう。

「普通」であり続けたいか。その価値観でよいのか。

子どもを産んでから、ますます人と比べることが多くなっていた。

同じように子育てしているはずなのに、
あの人はなぜ、あんなに身ぎれいにしていられるのだろう。
同じように出産を経験したはずなのに、
あの人はなぜ、あんなにスタイルがいいのだろう。
同じような生活環境のはずなのに、
あの人はなぜ、あんなに余裕があるように見えるのだろう。
たぶんね、周りを品定めするような目で見てたんじゃないだろうか。

でもね、ある時、気づいたのだ。

そうだ、前提条件がみんな違うのだと。

当たり前だけど、出産によってそれまでの人生がリセットされるわけではない。
産院ではベッドを並べていたけれど、お互いの背景、スペックは全然違うのだ。

そのことを、忘れていた。
だから、すごく周りが気になるし、比べてしまっていたのではと思う。

みんなちがって、みんないい。

まさにその通りなのにね。

今の仕事に関しても、超保守的な職場なので、
ビジネスの最前線にいる人たちから見ると、
なぜそんな職業選択を?と言われそうな感じなのが怖かった。
業界としても、将来性があるとは胸を張って言えないし、
これから、ますます経営環境は厳しくなっていくだろう。

じゃあ、そこから転職すればいいじゃないかと言われそうだけど、
それでちょっと迷ったりしなかったわけではないけど、
でも、ギリギリまでがんばろうと決心した。
沈みゆく船かもしれないからこそ、沈ませないように頑張りたい。

その方が性分に合っている。
これでいいのだ!